正常な髪では、毛が太く成長する成長期が2~6年間ありますが、AGA(男性型脱毛症)の髪では、数ヵ月~1年間ほどにまで短くなっています。
そのため髪の毛が細くなり、抜け毛が増えます。
このAGAに対して治療効果が高いことで知られている成分が、フィナステリドとミノキシジルです。
これらの成分は通常、病院で処方されるような医療用育毛剤に配合されています。
フィナステリド
もともとは前立腺肥大の治療に用いられていた成分でしたが、AGAに対して改善効果があることが分かり、育毛剤としても用いられるようになりました。
錠剤タイプの育毛剤として利用され、『プロペシア』や『フィンペシア』などの薬がよく知られています。
<効果>
AGAの原因は、DHT(ジヒドロテストステロン)という物質であることが分かっており、このDHTは男性ホルモンであるテストステロンが変化して産生されます。
フィナステリドは、この変化を引き起こしている5α-リダクターゼという酵素を邪魔することで、AGAを防ぎます。
DHTが減少すると髪の成長期が長く保たれ、毛が太く成長できるようになります。
<副作用>
フィナステリドの副作用として性欲減退・勃起機能不全などがあります。
『プロペシア』の臨床データでは、副作用の発現率は5%程度です。
また、妊娠中の女性が服用したり、錠剤に触れて有効成分が吸収されたりすると、男子胎児の生殖器官等の正常な発育に影響を与えるおそれがあるので注意が必要です。
ミノキシジル
もともとは高血圧の治療に用いられていた成分でしたが、はげや脱毛症に対して改善効果があることが分かり、育毛剤としても用いられるようになりました。
頭皮につけて使用したり、錠剤として服用したりします。
頭皮につけるタイプには『リアップ×5』や『ロゲイン』などがあり、服用するタイプには『ロニテン』や『ミノキシジルタブレット』などがあります。
頭皮につけるタイプは市販されているので、『リアップ×5』なら近所の薬局やドラッグストアでも買うことができます。
<効果>
髪のサイクルに作用し、発毛を促進したり、成長期を長く維持して毛が太く成長するのを促進したりする効果があります。
しかし、その詳しい仕組みは分かっていません。
<副作用>
ミノキシジルは本来、血管を拡張し血圧を下げる成分なので、副作用として重い低血圧・不整脈・動悸・胸の痛みなどがあります。
その他にも、頭痛・めまい・手足や顔のしびれ・手足や顔のむくみ・急激な体重増加・皮膚の赤み・体毛が濃くなるなど様々です。
『リアップ×5』の臨床データによると、副作用の発現率は8%程度で、その内容は皮膚炎・湿疹など皮膚に関するものです。
このように頭皮につけるタイプのミノキシジルでは、副作用の発現率はそれほど高くなく、症状も軽微です。
一方、服用タイプのミノキシジルは頭皮につけるタイプより発毛効果が高いと言われていますが、それと同時に副作用も現われやすく、症状も重くなります。
いずれのタイプを利用するにせよ、ミノキシジル使用時は副作用に十分注意を払い、体調に異変が生じたら医者に相談する必要があります。
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