それにしても育毛にはお金がかかる。
『プロペシア』代として毎月7,500円の出費は結構大きい。
『プロペシア』は2014年7月末までのおよそ5年間飲み続けたが、経済的に苦しくなり、やめざるを得なかった。
『プロペシア』をやめると、抜け毛が元に戻ってしまうのでビクビクしていたが、1週間が過ぎ、2週間が過ぎても特に抜け毛が増えたとは感じなかった。
ところが、
『プロペシア』をやめてから2ヵ月が過ぎた頃、入浴時の抜け毛が目立つようになった。
使用をやめると、使用前より抜け毛が増えることもあると言われている。
心配になった私は、次のようにして洗髪時の抜け毛本数を数えてみることにした。
<計測方法>
空の浴槽に栓をして毛髪が流れないようにし、シャワーで洗髪。その後、浴槽に残った抜け毛を拾い、その数を数える。
これで洗髪時のおおよその抜け毛本数が分かるはずだ。
何度か調べてみると、抜け毛本数は60本程度だった。
これは『プロペシア』使用前で抜け毛が目立っていた頃の抜け毛本数と同じ程度である。
『プロペシア』を使う前のレベルに戻っている……。
使用前より抜け毛が増えていないのは不幸中の幸いだったが、このままではマズイことに変わりはなかった。
ここからは少し詳しい話になるので、めんどうなら読み飛ばしてOKです。次ページへどうぞ。
【次ページ】
『プロペシア』のジェネリック品『フィンペシア』を見つけた私。驚いたのは、その値段だった。
⇒7.プロペシアのジェネリック品『フィンペシア』を通販で買ってみる
もう少し詳しく:『プロペシア』のやめどきはいつか?
『プロペシア』で抜け毛が止まり、薄毛も改善されてくると考えるようになるのが、
もう『プロペシア』やめてもいいかな?
ということでしょう。
結論から言ってしまえば、『プロペシア』にやめ時はありません。
と言っても、いつやめてもいいという意味ではありません。
抜け毛・薄毛を食い止めようとする限り、使い続けなければならないと言う意味です。
先ほど体験記で書いた通り、『プロぺシア』をやめると元のように抜け毛が増加し、薄毛が進行してしまいます。
では、なぜ『プロペシア』をやめると抜け毛・薄毛が再発するのでしょう?
『プロペシア』をやめると抜け毛・薄毛が再発する理由
下図で示したように、男性型脱毛症(AGA)の原因物質は男性ホルモンの一種ジヒドロテストステロン(DHT)です。
【AGAの詳しい仕組みはこちら⇒AGA(男性型脱毛症)とは?】
『プロペシア』の有効成分フィナステリドはテストステロンからDHTへの変化を邪魔することで、AGAによる抜け毛・薄毛を改善します。
例えて言うなら、フィナステリドはテストステロンからDHTへの流れを食い止めるダムのようなものです。
抜け毛・薄毛が改善されたからといって『プロペシア』をやめると何が起こるか分かりますよね。
流れを食い止めていたダムがなくなれば、テストステロンからDHTへの流れは勢いを取り戻すことになります。
このように、
『プロペシア』をやめるとAGAの原因であるDHTが再び増加し、抜け毛・薄毛が再発してしまうわけです。
風邪治ったみたいだから、もう風邪薬飲まなくていいかな?
というのとはちょっとわけが違います。
フィナステリド配合育毛剤と長く付き合っていくために
髪を維持し続けるためには『プロペシア』をやめられないことは分かりましたが、そもそも、なぜ私たちは『プロペシアを』やめようと思うんでしょう?
理由は主に次の二つだと思います。
1.金銭的負担が大きい。
『プロペシア』は病院で処方してもらうと1箱(28錠入り)7,000円程度かかります。
毎月7,000円支払い続けるのは結構苦しいですよね。
2.身体に悪影響を及ぼす可能性がある。
『プロペシア』の有効成分フィナステリドには、性欲減退・勃起機能不全などの副作用が起こる可能性や胎児に悪影響を与える可能性があります。
『プロペシア』に限ったことではなく、フィナステリド配合育毛剤と長く付き合っていくためには、これら二つの問題を解決する必要があります。
では、それぞれの問題の解決法を探っていきましょう。
フィナステリド配合育毛剤による金銭的負担を軽くする方法
まずは、金銭的負担を軽くする方法についてです。
先ほども書いたように、『プロペシア』は病院で処方してもらうと1箱(28錠入り)7,000円程です。
現在では『プロペシア』のジェネリック品も処方してもらえるので、それらを利用すると1箱(28錠入り)4,000~5,500円程度になります。
ですが、通信販売(正確には個人輸入)を利用して海外の製品を購入すると、さらに安く済ませることができます。
海外で販売されている『プロペシア』のジェネリック品は、最も安いものだと1箱(100錠入り)3,000円程度です。
これなら1ヵ月当り1,000円もかからないので、金銭的な負担を感じることはほとんどありません。
(この辺の話は次ページの体験記にも書いてるので、そちらも読んでみてください。)
フィナステリド配合育毛剤による身体への悪影響を避ける方法
次に、身体への悪影響を避ける方法についてです。
フィナステリド配合育毛剤を使う時にまず気になるのが副作用。
最も表れやすい副作用は性欲減退・勃起機能不全などの性機能障害ですが、国内臨床試験における頻度は3%未満です(副作用全体の頻度は5%程度)※。
このように、副作用の表れる頻度は高くないので、あまり心配する必要はありません。
【副作用・ポストフィナステリド症候群の詳細はこちら⇒フィナステリド使うべき? 副作用・ポストフィナステリド症候群の問題】
自分の体への副作用も気になりますが、もっと気になるのが胎児への悪影響です。
AGAの原因物質であるDHTは私たちAGA患者にとっては厄介者ですが、胎児期に陰茎・陰嚢の形成を促すという大事な役割を果たしています。
そのため、DHT量を減少させる作用のあるフィナステリドに胎児がさらされるのを避けなければいけません。
『プロペシア』の使用上の注意には次のように書かれています。
(1)本剤を妊婦に投与すると、本剤の薬理作用(DHT低下作用)により、男子胎児の生殖器官等の正常発育に影響を及ぼすおそれがある。
(2)本剤を分割・粉砕しないこと。本剤が粉砕・破損した場合、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人及び授乳中の婦人は取り扱わないこと。本剤はコーティングされているので、割れたり砕けたりしない限り、通常の取り扱いにおいて有効成分に接触することはない。
妊婦が飲むのはもちろん禁止ですし、皮膚から吸収される可能性があるため妊婦が錠剤のコーティングされていない部分に触ることも禁止です。
妊婦が間違って飲んでしまったり触ってしまったりしないよう、薬の保管には注意しましょう。
フィナステリド配合育毛剤を使いながら子作りして大丈夫?
先ほど、妊婦とフィナステリドの接触を避けることで、胎児への悪影響を避けることができるという話をしました。
ですが、一つ気になるのは、「女性が直接フィナステリドに接触しなかったとしても、男性がフィナステリド配合育毛剤を飲んでいることによって、胎児に何らかの悪影響があるのではないか?」ということです。
実は、フィナステリドは精液にも移行することが確かめられており、性交により精液中のフィナステリドが膣を通して女性に吸収される可能性があります。
ただし、精液中のフィナステリド濃度を調べた実験の結果から、
精液中のフィナステリドが胎児に影響を与えることはほぼないと考えられています。
行われた実験は次のようなものです※。
男性型脱毛症患者にフィナステリド1mgを1日1回6週間投与し、精液中のフィナステリド濃度が測定されました。
その結果、60%(35例中21例)ではフィナステリドは検出されず、検出された場合の最高濃度は1.52ng/mLでした。
この最高濃度を使用し、1日の射精量を5mLとして、膣からフィナステリドが100%吸収されると仮定して考えると、精液から女性が吸収するフィナステリドの最高量は7.6ng/日(女性の体重を50kgと仮定すると0.15ng/kg/日)となりました。
この0.15ng/kg/日という量は、妊娠アカゲザルにフィナステリドを静脈注射する実験において胎児への影響が見られなかった120ng/kg/日という量の750分の1以下でした(アカゲザルは子宮内での男児の発生過程やフィナステリドの作用の程度がヒトと似ている)。
男性がフィナステリド配合育毛剤を飲んでいても胎児に悪影響はないわけですが、心配ならば子作りの間だけ育毛剤の使用をやめれば良いでしょう。
ただし、やめたらすぐに子作りして良いというわけではありません。
なぜなら人間では精子の形成に74日前後かかり、また、精子は体内に数ヵ月蓄えられるからです。
フィナステリドの影響を受けた精子が完全になくなるまで、薬をやめてからしばらく待つ必要があります。
精子の形成能力に悪影響を与えたり精液中に移行した成分が胎児の奇形を招いたりする危険性が高い薬では、薬をやめた後どれだけの避妊期間を取ればよいか添付文書中に書かれています。
薬によって異なりますが、最も長いもので避妊期間は6ヵ月以上としているので、
フィナステリド配合育毛剤をやめた後6ヵ月を過ぎれば、まず子作りに問題はありません。
妊娠が分かったら、またフィナステリド配合育毛剤を使い始めればOKです。
ただし、性交時はコンドームを使用し、フィナステリドの影響を受けた精子から母体を守ることを忘れずに。
以上、フィナステリド配合育毛剤を使い続ける上での問題の解決法を探ってきました。
これらを参考にして、みんなで育毛を続けましょう!
※参考文献:プロペシアインタビューフォーム
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