どーも、こんにちは、
ひぽぽです。
先日、
「ネットで入手したED(勃起不全)治療薬の55.4%が偽造品だった」
という驚きの記事※1を読みました(2009年の記事なので、少し古いですが)。
記事によると、調査されたED治療薬は、『バイアグラ』・『レビトラ』・『シアリス』の3製品。
日本とタイにおいて、それぞれ30サイトからこれらの製品を1個ずつ購入し、その含有成分が分析されました。
その結果、日本購入分では43.6%、タイ購入分では67.8%、全体では55.4%が偽造品でした。
どのようなサイトから購入したのかは分かりませんが、とんでもない数字です。
※1:『【ネット販売「ED治療薬」】6割弱がニセ薬‐関連4社が合同調査』薬事日報2009年12月4日:
http://www.yakuji.co.jp/entry17440.html
正義の味方?レジットスクリプト
このようなインターネット上の違法な医薬品販売を撲滅しようとしているのがレジットスクリプトという組織です。
レジットスクリプトは、米国食品医薬品局(FDA)や日本の厚生労働省から委託され、医薬品に関するインターネットパトロール事業を行っています。
偽造医薬品を取り締まってくれるのはとてもありがたいのですが、喜んでばかりもいられません。
なぜなら、
レジットスクリプトはベストケンコーやオオサカ堂に代表される医薬品の個人輸入代行業者のほとんどを違法とみなし、つぶそうとねらっているのです!
個人輸入代行業者の2つの問題点
レジットスクリプトのサイト内のブログ※2や調査書※3を読むと、個人輸入代行業者の問題点が指摘されています。
いろいろ書かれているのですが、大きな問題点は2つあるようです。
1.処方せん医薬品を正規の薬局から入手していない。
処方せん医薬品とは、医師が患者を診察し処方せんを発行したうえで、薬局において販売される薬のことです。
例えば、代表的な育毛剤『プロペシア』など、飲むタイプの育毛剤はほとんどが処方せん医薬品です。
処方せん医薬品の流通ルートは国によって違いますが、おおまかにとらえると正規のルートは<図1>のようになっています。
一方、個人輸入代行業者を利用すると、<図2>のように医薬品卸業者が私たちに医薬品を販売することになります。
日本を含め多くの国の法律では、
- 処方せん医薬品は、医師の処方せんに基づいて正規の薬局で販売されなければならない。
- 医薬品卸業者が薬局開設者など以外に医薬品を販売することはできない。
と定められています。
個人輸入代行業者がどこの国の卸業者を利用しているのか分からないのではっきりとは言えませんが、医薬品の個人輸入代行業は、これらの法律に違反している可能性があります。
また、レジットスクリプトは、正規の薬局を経由していない医薬品は本当の出所が不明で、偽造品だったり適切な管理がされていなかったりする可能性があると警告しています。
2.未承認医薬品の広告を行っている。
外国製の育毛剤のほとんどは、日本では承認されていません。
そして、
承認されていない医薬品の広告は法律で禁止されています(薬機法第68条)。
ホームページ上に未承認医薬品の名前を掲載するだけでも広告とみなされ、違法となります。
ところが、ほとんどの個人輸入代行業者はホームページ上に未承認医薬品の名前・写真・金額を普通に掲載しています。
※2:『不正オンライン薬局と日本市場』LegitScript News & Updates
(https://www.legitscript.com/blog/2012/02/)
※3:『日本における不正オンライン薬局市場』レジットスクリプト調査書 2013,5,15
個人輸入代行業者の言い分
一方、個人輸入代行業者にも言い分はあります。
1.『処方せん医薬品を正規の薬局から入手していない。』という問題点に関する説明
「正規の薬局を経由していない医薬品は本当の出所が不明で、偽造品だったり適切な管理がされていなかったりする可能性がある」という指摘に対して、大手の個人輸入代行業者は、
- 医薬品の現地出荷元は正規の医薬品取り扱いライセンスを保有した大手ホールセラー(卸業者)なので、偽造品はない。
- 外部の専門機関が成分鑑定を行い本物であることを確認しているので、偽造品はない。
と説明しています。
ただし、これは自分でそう言っているにすぎないので、100%信じられるわけではありません。
また、「処方せん医薬品を処方せんなしで販売することは違法」という点に対する説明はされていません。
2.『未承認医薬品の広告を行っている。』という問題点に関する説明
「未承認医薬品の広告を行うことは違法」という指摘に対して、どこの個人輸入代行業者も特に説明はしていません。
これはたぶん、このような指摘はあるものの、一応、法的には問題がないからだと思います。
どういうことかと言うと、
個人輸入代行業者の多くが実は海外の企業で、そのため未承認医薬品の広告を禁じる日本の法律は適用されないのです。
違法ではないですが、グレーゾーンといった感じですね。
ちなみに、ベストケンコーの運営会社であるBushido Enterprise Ltd.の所在地はイギリス領バージン諸島、オオサカ堂の運営会社であるRoy union Ltd.の所在地は香港になっています。
イギリス領バージン諸島とは聞きなれない名前ですが、税金がほとんどかからないタックス・ヘイブンとして知られています。
たぶん本社は節税のための書類上だけの存在で、実際にそこで事業活動をしているわけではないと思います。
オオサカ堂も、香港の本社は書類上だけのものみたいです。(詳しくはこちらのサイトをどうぞ⇒『医薬品輸入代行.com/オオサカ堂って本当にあるの?実際に行ってみた!』)
香港もタックス・ヘイブンとしてよく利用される地域なので、やはり節税目的だと思います。
節税目的でタックス・ヘイブンに本社を置くのは違法ではありません。
ですが、そのせいで会社の実体がどこにあるのか分からなくなっています。
これでは怪しまれてしまうと思うのですが……。
まとめ
個人輸入代行業者はレジットスクリプトから、次の2つの問題点を指摘されていました。
- 処方せん医薬品を正規の薬局から入手していない。
- 未承認医薬品の広告を行っている。
そして確かに、1の指摘に関して法律に違反している可能性がありました。
個人輸入代行業者さんには長年お世話になっていますが、こうして見てみるとつっこみどころ満載ですね。
「このままじゃ本当につぶされちゃうかも……。」
と本気で心配になってきました。
個人輸入代行業者さん、応援してるんで、がんばってください!
次回、医薬品の個人輸入代行業者が生き残るにはどうすればいいのかを探っていきます。
⇒ハゲ革命勃発!医薬品の個人輸入代行業者の未来
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