どーも、こんにちは、
ひぽぽです。
前回の記事:『ねらわれた個人輸入代行業者』では、インターネット上の違法な医薬品販売を取り締まるレジットスクリプトが、医薬品の個人輸入代行業者をつぶそうとしているという話をしました。
実際、代表的な個人輸入代行業者のベストケンコーやオオサカ堂は、レジットスクリプトによって何度もドメイン名が停止されサイトが閉鎖されています。
しかし、サイトが閉鎖されても、その度に新しいドメイン名でサイトの運営が再開されてきました。
現在はこのようないたちごっこの状態の中、個人輸入代行業者はなんとか存続しています。
でも、いったいこの先どうなってしまうんでしょう……。
もし、完全に法が守られたとしたら……
レジットスクリプトは、『「個人輸入」であろうとなかろうと、処方せんなしで処方せん医薬品を販売しているなどの違反が見られる場合は不正または無認可とみなします。』 ※1と言っています。
私たちが個人輸入代行業者を利用して『プロペシア』などの処方せん医薬品を買う時、医薬品卸業者が処方せんなしで私たちに販売するという形になっているので、これは違法ということになります(詳しくは前回の記事:『ねらわれた個人輸入代行業者』にて)。
となると、完全に法を守ったうえで海外の処方せん医薬品を買うには、現地で医者の診察を受けて処方せんを出してもらい、現地の薬局に行くしかありません。
つまり、実質的には海外の処方せん医薬品は買えないということです。
法は守られたけど、私たちは海外の良い薬を手に入れられなくなってしまった。
うーん、これが最善の結末なんでしょうか?
※1:『不正オンライン薬局と日本市場』LegitScript News & Updates
https://www.legitscript.com/blog/2012/02/
違法?合法? でも、もっと大事なことは……
個人輸入代行業者とレジットスクリプトの対立を見ていると、『違法か合法か』という点にばかり注意が向けられている気がします。
でも、一番大事なことを忘れていませんか?
一番大事なことは、私たち患者の利益です。
『どのような状態にすれば私たち患者にとっての利益が最も大きくなるのか』という視点で、この問題を考えるべきだと思います。
そもそも私たち患者にとっての利益とは、
『良い薬を』・『安く』・『安全に』利用できる
ということです。
AGA治療のために多くの人が個人輸入代行業者を利用しているのは、通院して薬を処方してもらうという正規の医療ではこれらの利益が十分に得られないからです。
医薬品の個人輸入代行業者が私たちにもたらしている利益
個人輸入代行業者は『良い薬を』・『安く』・『安全に』という3つの利益の内、2つの利益をもたらしてくれます。
詳しく見てみましょう。
1.『良い薬を』利用できる。
効果の高い育毛剤としてミノキシジルタブレットがありますが、通常この薬はAGA治療専門クリニックでしか扱われていません。
AGA治療専門クリニックは都市部にしかないので、通院し薬を入手できる人は限られてしまいます。
ですが、個人輸入代行業者を利用することで、住んでいる場所に関係なく、誰でもミノキシジルタブレットを入手することができるのです。
また、日本では販売されていない海外の効果の高い育毛剤を入手することもできます。
2.『安く』利用できる。
育毛剤の定番『プロペシア』を例に見てみると、この薬を病院で処方してもらった場合、価格は28錠:6,000~7,500円程度です。
日本で承認されたジェネリック品も処方してもらえますが、それでも価格は28錠:4,000~5,000円程度します。
一方、個人輸入で入手できるジェネリック品の『フィンペシア』は、100錠:3,000円程度です。
このように、個人輸入代行業者を利用することで、かなり安く薬を買うことができます。
育毛剤はずっと使い続ける必要があるので、薬の価格は少しでも安いほうが私たち患者は助かります。
私たち患者の多くは、個人輸入代行業者がもたらしてくれるこれらの利益のおかげで、AGA治療を続けることができるのです。
ハゲ革命が起こる!
個人輸入代行業者に否定的な立場の人たちは、「個人輸入代行業者がなくなっても病院に行けばいいじゃない。」と考えているのかもしれません。
ですがそのような考えは、フランス革命期の王妃マリー・アントワネットが言ったとされる(実際は言ってないですが)「パンがなければケーキを食べればいいじゃない。」という言葉と同じようなものです。
経済的・地理的理由により個人輸入代行業者を利用するしかないという患者の苦しい状況を全く分かっていないのです。
もし、このまま個人輸入代行業者がつぶされてしまったら、
フランス革命ならぬハゲ革命が起こりますよ!
ハゲた民衆が厚生省を襲撃する事態になります!
個人輸入代行業者の未来
私たちAGA患者の多くは、個人輸入代行業者がなくなってしまうと非常に困ります。
かと言って、無条件に個人輸入代行業者を存続させればいいとも思えません。
なぜなら、『良い薬を』・『安く』・『安全に』という3つの利益の内、『安全に』という利益については疑問があるからです。
個人輸入代行業の問題点として指摘されているのが、偽造品が扱われている危険性です。
個人輸入代行業者は、外部の専門機関に取り扱っている医薬品の成分鑑定を行ってもらうことで安全性を訴えています。
それならいっそのこと、次のような仕組みにしてはどうでしょう。
- 個人輸入代行業を許可制にする。
- 今まで税関でフリーパスだった少量の医薬品については、税関を通過する際、許可を受けた個人輸入代行業者の仲介による品であることを証明する書類を提出させる(これで海外の企業でも日本で営業許可を取らなければならなくなる)。
- 個人輸入代行業者が医薬品を取り扱う場合は、政府の指定した機関による成分鑑定を受けることを義務化する。
ED(勃起不全)治療薬で行われた調査(詳しくは前回の記事:『ねらわれた個人輸入代行業者』にて)のように抜き打ちで鑑定し、偽造品が見つかった業者は名前が公表されるようにすれば、偽造品の流通をけん制することができます。
また、鑑定費用を個人輸入代行業者の負担にすれば、新たに税金を使うこともありません。
当然その分、私たちが個人輸入代行業者に支払う手数料が値上がりしますが、それでも正規の医療を利用して薬を購入する場合に比べれば、薬の価格はずっと安く済むはずです。
『厚生省は個人輸入代行業者を容認する』・『個人輸入代行業者は許可制になり、取り扱い医薬品の成分鑑定が義務化される』・『患者は成分鑑定費用を負担する』というように、三者それぞれが何らかの損をします。
ですが、結果的には厚生省と患者は薬の安全性を確保するという目的が果たせますし、個人輸入代行業者も存続することができます。
素人考えの穴だらけの仕組みなのは分かっています。
ですが、何らかの方法で医薬品の個人輸入の安全性を高め、せめて正規の医療において薬の価格が十分に下がるまでの一時的な救済措置としてでも、個人輸入代行業者を存続させることはできないものでしょうか?
法よりも大切なのは人間
太平洋戦争直後の日本では、食料管理法によって配給以外の食料の入手が禁じられていました。
ところが、流通機能が十分に回復していなかったため都市部へ配給される物資が圧倒的に不足し、人々は飢えに苦しんでいました。
そんな人々の命を支えたのが闇市です。
闇市は食料管理法に違反する存在でしたが、闇市で売られる食料のおかげで多くの人たちが戦後を生き抜くことができたのです。
このように、
法律に反していても人々にとって必要なものもあるのです。
個人輸入代行業者に否定的な立場の人たちに、そのへんのことも考えてもらえたらいいのですが。
長くなりましたが、今回はこの辺で。
それでは、また。
育毛に関する問題は他にも……
⇒カテゴリー〈育毛を取り巻く問題〉
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